「VMax」というバイクをご存じですか?
Vmaxは、アメリカでの販売促進を目的にドラッガーレースでも活躍できるバイクとして作られた。カナダ、アメリカ、アフリカ、欧州、日本等、世界各地の仕様があり、それぞれ馬力が違っている。左は2WEでアメリカ仕様(143馬力)、右下は2LTでカナダ仕様(145馬力)のVmax。純正ではそれぞれに違いは殆どなく、両者V-Boostが付いている(6,000回転以上回したときに怒濤の急加速を得られる。)因みに旧型の国内仕様のVmaxにはV-Boostがなく、後付けで取り付けることができる。
- めちゃめちゃ重たそうだけど、スピード出るのか?
- V-Boostって6,000回転からの急加速って言うけど、どういう加速するのかな?
- フレームの剛性をあえて落としているって…一体どういうこと?
- Vmaxって調べたら欠点だらけってある。でも人気って何故?
他のバイクにない独特な特性を持つVmax。上記のように気になることも多いですよね?
Vmaxってどういうバイク?
日本では高速みたいな長距離の直線のある場所でくらいしか本領発揮できないだろなって思うようなドッカンバイクだったよ。
ここではこれまで乗ってきたバイクが40台以上のPaPachiが、所有したことのある人しか知らないVmax(旧型)についてレビューします!!
スペック
スペックの詳細につきましてはPaPachiの御用達であるWeb!keさんにございましたのでご参照下さい。
特徴
- 旧型(国内仕様以外)のVmaxにV-Boostが付いている。
- 大きなエアダクトとタンクっぽい外装は実はダミー。
- 車重あって見た目もがっちりなのにフレームがヘロヘロ。
- タンクと給油口がシート下にある。
レビュー
カスタムと整備性
マッチョな車体で整備性は一見して大変そうに見えるが、ダミータンクを外したらすぐ下がエアフィルターだったりして意外と面倒ではない。
Vmaxにはタイヤサイズを変更したりバックステップの取り付けの等の他、ニーグリッププレート、サブフレームの取り付け等欠点を補完するようなカスタムをすることがある。パーツ部品は出回っているため特に困ることはない。
✳V-Boostの発動タイミングを大まかに選べたり切ったりできるフルタイムブーストというキットもあるらしい。
タイヤサイズの変更には注意点があり、そもそもフレームがヘロヘロで走行時に不安定なのにそうすることでバランスが崩れ、更に走行時の不安定さが目立つようになる可能性あり注意を要する。
因みに、Vmaxのフレームヒビが入ることもあるらしい。
疲労度
ある程度スピードが出てくると体を伏せたくなってくるところだが、バイクの作り的に伏せられるポジショニングが取れないため必然的に体を起こさないといけなくなる。そうなると体で風を受けるため、意外と疲れる。高速道路はきつい。
街乗りやゆっくりツーリングする分にはそれほど疲れを感じることもなく楽に走れる。
足つきと取り回し
車体が太いため見た目より足つきはよくないが、決して悪いわけではない。取り回しは車重があっても低重心だから思ったより扱いやすい。
燃費
ツーリング時で15km/l程度。V-Boost発動時には更に燃費が悪くなり、10km/lと2輪としてはびっくりするような燃費になる。ガソリンタンクも15lと小さいため、長距離ツーリングでは再々スタンドに立ち寄ることになる。
積載性
荷物入れは車検証が入るくらい。たくさん荷物を持ち歩きたいときにはサイドバックやフォークバックを取り付けたり、リュックを使用するなどする必要あり。
スピードを求めないのであればタンデムもあり。
走行性
ゼロヨンを10秒前半で駆け抜けるバイクは伊達ではない。代名詞のV-Boostがかかると途端に加速し体全体に力を入れないと振り落とされそうになる。エンジンがV型4気筒でレスポンスはVツインよりよくマルチよりは下回る。車重があっても馬力があるためスロットルをいきなり開けると簡単にウイリーする。
発売当初海外でのドラッグレースでの使用を視野に入れていたこともあり、本領を発揮しようと思うと所によっては場所や条件を厳選しなければV-Boostの醍醐味は味わえない可能性がある。ただフレームがヘナヘナなので、スピードが乗ると車体が不安定になり恐怖を感じる。
エンジン性能的にはどこまでもスピードが出そうだが、車体のバランスとポジショニング等等考慮するとそんなにスピード出さなくても十分という感覚になる。
コーナーリングに関しては感じ方にもよるが思っていたよりはスムーズ。ただ、コーナーリング中にV-Boostが発動してしまうと慣れていないと曲がりきれずに壁やガードレール、溝などに突っ込むようになるのではないかと思う。
旧車あるあるのブレーキの効きの悪さには要注意。
まとめ
Vmax、特にフルモデルチェンジ以前の型についてはデメリットの多いバイクとして知られているが、手間と慣れることを惜しまなければ所有感抜群でやみつきになるバイク。
マシンの機能的なデメリットはカスタムで解決できることも。
- バッテリー…トリクル充電器でマメにバッテリー管理をした方がいい。(バッテリーチャージャーではバッテリー本体や充電器自体に負荷がかかる)
- オーバーヒートによるエンスト…純正の単極プラグを2極のJR8Cに変更
- ブレーキ…社外キャリパーへ変更
等すれば改善が見込める。
一方で慣れるしかないデメリットもあり、コーナーリング性や航続距離の問題がこれに該当する。
加速時の恐怖感もあるが、この恐怖感の要因の一つはフレームの剛性のなさに起因するが、これはVmaxの開発者によるライダーにエンジンの存在感を感じ取ってほしいという意思の元あえて残されたもの。慣れればやみつきとなる乗り味になる。
このバイクは速度を楽しむバイクではなく、V-Boostの加速力を楽しむバイク。ただし、乗りっぱなしにするとバイクがへそを曲げてしまうのでお世話のいるバイクでもある。
Vmax(旧型)は乗る専門の人やたまにツーリングをしたい人には不向きなバイクです。何せいろんなお世話が必要なバイクです。よくよく機嫌を取っておかないとすぐに不機嫌になり動かなくなってしまいます。最高速を求めたい場合もVmaxでは満たされない可能性があります。また、峠道を楽しみたいという人も慣れが必要かもしれません。
そのジャンルでは直線番長と言われていたVmax。加速を楽しみたい人にとってはv-Boost発動時のスリルを十分味わえるバイクです。カスタムパーツも未だ豊富に存在しており、多様なカスタムをすることで持ち主に合わせたバイクにできることも所有感を感じられる一つの要素だと思います。デメリットがたくさんありますが、それを克服してでも所持しておきたいと思うようになる人も多いです。販売されなくなった今でもVmaxファンが多いことがそれを証明しています。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。
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